寂しがりヒーロー

独りぼっちには、なりたくないんです。

恐怖しかなかった。

僕は、一人になっちゃうっていう、恐怖しか。
呼吸が苦しくて、傷口が痛くて。

でも、誰にも頼れない。
カモちゃんに、会えない。
会ったら、何を言われるのか、怖くて。


「...っ、ごめ、な、さい...っ」


謝ったって届かないのに。
僕は、もう、独りぼっちなのに。

どんどん暗くなっていく。
気持ちも、景色も、暗くなる。

逃げなくちゃ。
カモちゃんから、現実から、逃げなくちゃ。

逃げなきゃ、逃げなきゃ。

そう思っていると、涙がどんどん溢れてきた。
もう、やだよ。

一人は嫌なのに、一人になりたい。

でもそれは、本当に一人になりたいんじゃなくて、周りから何を言われるのか、怯えているから。
カモちゃんに今会ったら、言われちゃうと思うから。


「伊月って暴力的なんだね」

「ごめん。伊月が、怖い」

「来ないでよ、嘘つき」

「近くに来ないで...殴られたくない」


なんか、想像できちゃうんだよ。
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