雲外に沈む 妖刀奇譚 第弐幕
――赦さない
――あの人間だけは絶対に赦さない……赦してなるものか
――必ず見つけ出してやる
――見つけ出して、あの日主にそうしたのと同じ目に遭わせてやる
――殴り、蹴り、苦しめ、辱め、弄び、絶望の淵まで追いつめて、奈落の底へ叩き落としてやる
――あぁ主よ、悲しげな顔をしないでくれ
――あなたの仇は必ずや討ち取ってみせようぞ
――たとえどれほど時間がかかったとしても
――今に見ていろ、人の皮を被った下衆なる畜生よ
――首を洗って待っているがいい
――うぬを嬲り殺すまで、どこまでも追い続けてやる……