隣の席の、クソ悪魔。
なんなんだよ。


いつもみたいにどこか遠くを見つめているような目。


俺は中村に


「俺のいうこと聞けば良いだろ?



沙羅ちゃん」


と、王子様スマイルで言うと、あいつは少し苦しそうな顔を見せた。




この時は、あまりそのことを気にしていなかった。





「返してってば」


さっきよりも弱々しい声で中村は訴えてくる



「やーだ」




バラさねえって言うまで返さねえ。





そう言うと、中村は一筋の涙を流した。




そして頭を抱えながらしゃがみこんでいく




…どうしたんだ?




少し息苦しそうにする中村。
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