隣の席の、クソ悪魔。
「いじめのこと…?」


「そう」


「…どうして松山に話さないといけないの?」


「少しは楽になるだろ?」





…いじめのことをこの学校で詳しく知ってるのは、絵里だけ



絵里は、私のこと理解してくれて、一番に心配してくれる。




だけど松山はみんなからの人気者。



私の過去を探ってみんなにバラして面白がりたいのかもしれない。


黙り混んでいる私を見て


「ちょっとそこの公園いこっか」



松山は、学校を出てから少し歩いたところにある公園に入った。






ここで、帰ればいいのに、なぜか足が公園の方へ動いてしまう。




松山が座っているベンチに少し間をあけて座る。




グイッ




そんな私を見て、松山は私の腕を引っ張り、自分の方へと引き寄せる




「沙羅はさ、いつも強がってばっかじゃん。



だから、たまには甘えていいんじゃねーの?」




その言葉が、私の気持ちを少し動かしたのかもしれない。
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