隣の席の、クソ悪魔。
「『なんなの?


お前顔いいだけで調子のんじゃねーよ。


せっかく優しくしてあげようとしたのに。』





…前までにこにこ沙羅って呼んでくれてたのに、いきなりそんなこと言われて…





それから、教科書に落書きされたり、みんなに見えないところで殴られたり…




私弱いからさ…



なにもできなかったんだ…



やられたらやられっぱなし。



けど、絵里がそんな私を支えてくれたから、ここまでやってこれたんだ…」



そう言い終えた時には涙が溢れてて…



「辛かっただろ?」



「うん…



馬鹿みたいだよね。


私は絵里が居なかったらなにもできない人間なんだ。」





どうして松山なんかにこんな事話しちゃったんだろう…


せっかく強くなるって決めてたのにね…



「馬鹿らしくねえよ。




いいんじゃねーの?



強がってばっかじゃなくて、たまには弱さ見しても。」





そう言って松山は私を抱きしめた。





抵抗できないのはきっと、この空気のせいだ。
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