隣の席の、クソ悪魔。
「どうした?

なんかあったのか?」

心配そうに松山はわたしの顔を覗き込んでくる

「ちがうよ。


私が聞きたいのは松山のことだよ。」



「え?」


私は緊張をほぐすため大きく深呼吸をした

「ねえ。

どうしてたまに悲しそうな瞳になるの?

どうしてこんな私を気遣ってくれるの?

どうしてずっと1人だったなんて言うの?」



そう言い終えた私はなぜか涙があふれて
いて。


人前で泣くのは嫌なのに。

「俺、お前のこと大切にしてえって思った。


はじめて図書室で二人きりになった時から。


沙羅一人じゃ自分の問題を抱えきれないと思ったから」


そういった松山は、わたしの頭を優しくて撫でてくれる



「ありが、とう…

じゃあ松山は過去になにがあったの?」



私の過去には入り込んできたんだから、私だって知りたい。


「それは、沙羅には言えねえ。


…じゃーな。」


そう言った松山の目は今まで見た中で一番悲しそうな瞳で。



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