好きだから
「そんなの、無理だよ。」
瞳吾は、言葉と言葉以外でも私を傷つけた。
私、泣いたよ。
私は、瞳吾しかいない、って何回も思って、何回も瞳吾のことで悩んでた。
もう、遅いよ。
「瞳吾には、木下さんがいる。私には、大切な人がいる。だから、私とは終わろうよ、瞳吾」
「でも、俺は。」
「言ったよね、この前。"ブスとは歩きたくない"って。だから、その言葉ほんとにしてあげる」
私は、泣きそうにながらも笑う。
進もうって決めたから、これでいい。
「幸せになってね」
そう言って私は、瞳吾を通り過ぎて羽琉くんがいる、屋上に向かう。
……好きっていいたい。