鳥籠の中の運命。
山城家では嫁ぎに行くことにあたって1つの風習があった。
それは山城家から嫁ぎ先に持っていける物は1つしかできないという風習だ。
それ以外は全部置いていくのだ。
理由は分からない。
一花様のお父様によると、この風習は山城家初代からの習わしらしい。
『一花、お前は何を持って行く?決まってるのか?』
『決まってなかったら私のネックレス持って行く?』
『決まってるわ』
『何だ?』
その風習通り、一花様は持っていく物を1つ選択した。
『私は翠を持って行く』
そう、それが俺なのだ。