あなたのうしろ。

偽りの交錯

「お疲れっ!みこちゃんどうだった?」

「─…ま、まぁまぁかな」

「えー、嘘ついちゃいけないんだよ!みこちゃんが嘘ついてるって。私のアンテナちゃんがいってる」

「…そ」

アンテナちゃんって、なんだよ。アホか。

「やっぱり、できなかったよねー!仕方ないよ、みこちゃんだから」

お決まりの嫌味。何が言いたい?

「あっ、テラスに行くんだっけ。良いよ、行こー!

「そうだった、あんがと」

────────────***

「はぁー、北棟から西棟まで来るって、たいへーん 足動かなーい」

「おつかれ」

「みこちゃんすごいね!運動だけは、出来るもんね!」

「…あーうん」

運動だけは、とか。完璧な嫌味。何様だよ。

「わぁーっ」

辺り一面に広がる校庭の景色。生徒達がわーわー、と騒いでいる。

「ふっ…」

出てはいけない、笑みが溢れた。

「えっ、どーしたの、みこちゃん」

「な、なーんでもないっ!それより、柵の近く…すごいよっ!」

「…あ、ほんと!すご~い!」

「ほら、この辺とか…眺め良いよ」

「わぁー…」

今だ。ここからなら策略が通る。
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