今日から、幼馴染まない。
「あぁ、律ってウチのお姉ちゃんの事大好きなんだよ。 初恋がウチのお姉ちゃんで、ずっとお姉ちゃん一筋なの。 他の人好きになった事ないんだよ」
「えぇぇぇええ!! 律って見かけに寄らずピュアピュアじゃん!! そんなヤツ、少女マンガの中だけだと思ってたわ。 実在すんのな」
ワタシの言葉に晃くんが驚きながら喰いついた。
「何サラっとバラしてんのよ、優衣」
バツが悪そうに口を尖らせる律。
「イヤイヤイヤ。 隠す気なんかなかったでしょうよ。 『優奈さん大好き。優奈さん大好き』って公言するかの様に呪文みたく唱えてたくせに。 お姉ちゃんにもバレてるっつーの」
「それ、小学生の時の話だろうが」
「今も変わってないくせに」
「・・・・・・・・・・・・・・・うるさいなー」
律の弱点は『お姉ちゃん』だ。
そこを刺激すると、たちまちに律は太刀打ち出来なくなるんだ。 昔から。