今日から、幼馴染まない。
『2人で手分けして探したほうが早いでしょ。 あぁー。 松葉杖邪魔だわ。 お母さんとお父さんに見つかりそう』
オレの意見など耳にも入れず、お出かけする気満々の優衣。
いっそ、お母さんやお父さんに見つかって、優衣の外出を阻止して頂きたい。
「女のコが外に出る時間じゃないだろ。 それに、優衣まだ怪我治ってないだろうが。 お願いだからおとなしく待っててよ。 またもし優衣に何かあったらオレ・・・・・・・・・・・・・・」
『ワタシは、お姉ちゃんにもしもの事があったら嫌だ。 家の中の空気を悪くして、律とケンカした後に家にも帰れなくさせたの、ワタシだから。 ワタシの責任。 だから、本当はワタシひとりで探すのが筋なんだと思うけど、お姉ちゃんの彼氏って事で律も手伝って下さい。 ワタシ、あんまり早く動けないから』
電話の向こうで、優衣が苦しそうな声を出した。
怪我をして辛かったのも、オレに救助の手を弾かれて悲しい思いをしたのも優衣なのに、優衣は尚も自分を責めて苦しんでいた。
違うのに。 違うのに。
でも、この2ヶ月間、考えても考えても解決案なんか出ても来なかった問題を、今は考える時間じゃない。