お隣さんは元カレ?


斜め前の有馬の背中を見つめる。



有馬、心配してくれてるの?



でも。



もう……有馬の特別な人は、私じゃない。



そして部屋の前に着き、袋を渡される。



「……ほらよ」



「ありがとう…」



「ちゃんと歯磨いてから寝ろよ?」



「分かってるよ…」



そして有馬は鞄から鍵を出す。



「あの…有馬…」



「……なに?」



「あっ…えっと…なんで…」



なんで、心配してくれてるの?



とか、聞いていいもの?



菜実がとまどっていると…手に鍵を持ったまま有馬が口を開く。



「……ほっとけなかったから……」



「……えっ?」



「自分でも、分かんねーけど…」



「えっと…」



菜実はとまどう。



「じゃぁな?」



「えっ!?ちょっと!?」



そう言って有馬はすぐに部屋に入ってしまった。



「なんなの…えっと…」



どういう意味…!?





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