お隣さんは元カレ?


「なんで…」



ボソッと口にした有馬の声にも気付かず、菜実は背中を向けながらテンパっていた。



「っていうか、やってしまったけど…なんて大胆なことしてんの?私っ」



違うでしょ…。



確かに放っておけなかったけど、こういうのは彼女とか、好きな人にやってもらった方が……有馬は嬉しかったよね?



菜美はグツグツとお米を煮る鍋の中をじっ…と見る。



その時、後ろでピピッと体温計が止まる音がして、菜実はやっと振り返る。



手を拭いて、一旦有馬のいるベッドに近づく。



「熱どう?」



「あー…やっぱヤバイな?38.5だな」



「やっぱり高いね?ちょっと横になってて?もうすぐでお粥出来るから」



「あぁ、悪い」




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