お隣さんは元カレ?
菜実の言葉に、さらに顔が赤くなる有馬。
「……大丈夫?顔が赤いけど」
「大丈夫だよ…けどキモイだろ?」
そう言って有馬は写真をテーブルの上に置く。
「この時は、修学旅行とかのヤツを買ったんだ」
「あーあったね…」
菜実がもう一度写真を見て口を開く。
「キモクはないけど…でも、どうして?」
菜実の質問に、有馬が後ろ首をかきながら口にする。
「ずっと…片想いしてた……」
「……え?」
「だから…三年の時、同じクラスになって、これが最初で最後のチャンスだと思った、だから…宮崎と二人になれたあの日に言ったんだ…」
「……っ」
じゃぁ、有馬はずっと本気だったってこと?
菜実がなんて口にしたらいいか分からずいると、鍋の煮立つ音が強くなり、菜実が立ち上がる。