お隣さんは元カレ?


夜、菜美が夕飯を食べようとした時、足音で有馬が帰ってきたと気づいた菜美は慌てて玄関先のスーツを手に取り、部屋を出た。



すると有馬がミキが置いていった紙袋を見ている所だった。



「あっ…」



「あー…おぅ」



有馬は小袋をドアノブから外し、手を下ろす。



「それ…昼間ミキさんが置いていったの」



「えっ…?会ったのか?」



「うん、たまたま…有馬が不審に思ってたら、そう伝えて下さいって…」



「そっか…」



「うん…」



有馬…少し、切なそう。



「あっ!これ…」



そう言って菜美は慌ててスーツを渡す。




< 74 / 91 >

この作品をシェア

pagetop