【短】イッショニ カエロウ
『・・・』
ああ、なにやってんだ僕は
彼女が黙っちゃったじゃないか。
きっと、後悔に苛(さいな)まれているんじゃないのか?
僕に告白したこと・・・
『あの、その、
え~っと・・・』
駄目だいい言葉が思いつかない
『嬉しい』
え?
『よかった、あたしも緊張してて
いつも以上に喋ってたの。
でも、いつもどおりのたーくん見てて不安だったの
だから・・・』
嬉しいって?
すごいな、彼女は・・・
『あ、もう分かれ道だ……
じゃあ、またね♪』
彼女に言われて見ると、もう分かれ道に着ていた
『ああ、また・・・』
『最後に聞きたいけど、あたしのこと少しは好き?』
好き?
そんなの、当たり前だ…
『どうでもいい奴の告白なんて受けないし、
付き合ってんだ、きまってるだろ。』
『うん。ありがとう
でも、今度はちゃんと言ってほしいな、ね?
バイバイ』
彼女は、長い髪を躍らせながら走り去っていった。