【短】イッショニ カエロウ
『イッショニ カェロゥ~?』
異変が強くなる。
ここ数日変だったけど、彼女は明らかにやつれている
綺麗な白い肌は、もう健康的な色から掛け離れている。
幽霊のようだ。
笑みも黒い
目も据わっている
どうすればいい?
病院に行かせるべきなんだろうか?
『なぁ、今日はやめねぇ?
一緒に帰るの』
病院に行くことをさりげなく勧めて………
『え?なーに~?』
彼女の顔はまるで般若のお面。
ザワッ
空気が冷えたように寒い
『い、いやだから、その・・・』
『・・・るさない』
『は?』
『ユルサナイ
ズット、イッショダッテイッタ。
ズット、イッショニイルッテ。
ヤクソク
ヤクソク
ヤ ク ソ ク!!』
彼女はスクールバックから、
筆箱を取り出した。
そしてその中から取り出したもので
僕の腹をつく
え?カッターナイフ?
普通のサイズより2倍は大きなそれは
僕に、突き刺さった。
じわじわと、紅いシミが広がる
『う、っそだろ?
なんで、こんな・・・』
必死に彼女の表情を窺う。
ゾクッ
・・・笑っている。
今まで見たこともないような妖艶な微笑みを称えた彼女。
意識の落ちるその瞬間見たのはそれだった
『イッショニ キテクレルヨネ♪』