私の兄は正義のヒーロー
「あの…」

私は聞きたいことがあった。

「朝霞さんは正義奉仕サークルの人じゃないですよね?」

言っちゃ悪いが、こんなやつが正義奉仕サークルにいても、助けてもらいたいなんて思う前に逃げ出したくなる。

「違うよ。」

私は朝霞に聞いたのに、兄が答えた。

「こいつは物理サークル。」

「それで、なんで物理サークルの部室を使ってるの?」

私は兄にした質問だから、自然とタメ口になった。

なのに、今度は朝霞が答えた。

「物理サークルはメンバーが俺しかいないんだ。だけど、サークル室があるから真斗先輩と交換条件で貸してるんだ。」

メンバー1人でサークルってできるの?

そして、真斗の顔を思い浮かべた。

家に来た好青年だ。

「交換条件ってなんですか?」

「真斗先輩にサークル室を貸すかわりに物理サークルを存続させていいっていうことになったんだ。」

これでひとつ謎が解けた。
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