私の兄は正義のヒーロー
しかし、尊敬…いやそれ以上の兄もいた。

兄はかっこいい。

でも、顔とか洋服のセンスだけじゃない。

中身がきれいなんだ。

雲ひとつない青空みたいに。

その青空に太陽の照らしをさらに加えていた。

ぼそっ、と隣で真斗が言った。

「あれでも最初はおどおどしてて、足が地につかない感じだったのよ」

そんなこと微塵も感じさせない動きだった。

駅前だから人通りは絶えない。

その中で要救護者を見つけ出し、話を聞く。
簡単なことのように見えて、簡単ではない。

そのときの判断も大事だし、出来ないことも断れない。

やりたくないことも嫌な顔は出来ない。

そんなことが平然…ではないけど、出来る兄をやっぱり尊敬してしまう。
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