甘くて苦い恋の行方
「俺の部屋さ、すんげーボロアパートなんだけど、駅から近いから便利なんだよね。
大家さんも優しいし、ボロいこと以外不便なことはねぇの。」
この状態のまま、いきなり流空は言い出した。
耳元で、しかも好きな人の吐息がかかると
変な気持ちになってしまう。
「べ、別に興味ないって言ってるじゃん!」
何て言ったけど、もうそのアパート分かってしまった。
ボロくて、駅から近いアパートなんて
このへんじゃあそこしかないんだもん。
「っていうか、何で一人暮らし?」
あそこは、ここから徒歩でも10分かからないところ。
そこまで離れていないのに、引っ越す理由はないんじゃないかな。