見つめないで勉強しなさい! ~一途なチャラ男くんに愛されました~
カナちゃんは多希と一緒に会館に向かう所だったらしい。
そこへ偶然私が姿を現したと、いうわけだ。
多希のスラリとした首筋には、汗がにじんで艶めいていた。
けど、ひょうひょうとしたネコを思わせるキレイな顔は、涼しげな笑顔を私にむけている。
思わずぷいっと顔を背けて、私はそっけなく返した。
「私はカナちゃんと行くって言っただけで、キミと行くわけじゃないけど」
「えー細かいこと言わなくていいじゃん。どうせ向かう場所は一緒なんだからさ」
「はいはいそうでしたねー」
結局、私は多希に勉強を教える羽目になってしまった。
なぜかというと、このカナちゃんに、根負けしてしまったからだ。