見つめないで勉強しなさい! ~一途なチャラ男くんに愛されました~
「ねーせんせー、カナの話きいて!」
「ん…なあに?」
「カナね、昨日お母さんにほめられたの!最近勉強がんばっててエライね、って」
「へぇ、そうなの?」
「うん!友達もいるし、せんせーの教え方わかりやすいから楽しいんだよ、って言ったら、いいわねーって」
カナちゃんは嬉しそうに声を立てて笑った。
「お母さんね、せんせーのファンなんだって!可愛くてしっかりしてて頭が良くって、すっごい素敵ね、って言ってたよ」
「さっすが香おばさん、ちゃんと見てるなぁ」
自分のことのようにニコニコしているカナちゃんと、深々とうなづく多希。
私は思わず顔が赤くなるのを感じながら苦笑いを浮かべた。