見つめないで勉強しなさい! ~一途なチャラ男くんに愛されました~
わきあがった不安を押し退け、なかば自分に言い聞かせるように考えて、淹れたての苦いアイスコーヒーを吸ったその時だった。
ガラン!
と乱暴にドアが開いたかと思うと、兄貴が帰ってきた。
ずいぶん早いな。
しかも傘を持っていったはずなのに―――びしょ濡れになっている。
バイトの子が驚いてタオルを持って駆け寄っていった。
「てんちょ!傘どうしたんですか??」
「花珠っ!」