見つめないで勉強しなさい! ~一途なチャラ男くんに愛されました~


会館の中は薄暗く、生温い湿気に満ちていた。

扉を閉めると、もやに覆われたように雨音が小さくなって、まるで別世界に入りこんだように感じる…。



多希はきまり悪く感じているのか、会館の奥に進んでタオルを使うでもなく、かといって振り返って私に弁明するわけでもなく、ただ背を向けたまま立っていた。

ポタポタ…

雨水が滴っている。
< 290 / 337 >

この作品をシェア

pagetop