見つめないで勉強しなさい! ~一途なチャラ男くんに愛されました~


卑怯もん!


もう我慢ならない!


殴ってやる!


と、振り上げた拳は、次の瞬間行き場を失った。

多希は波にもっていかれるように子どもたちに会館の中へ連れていかれてしまった。



がっくし。



ひとり炎天下の中に取り残され、うなだれるしかない…。



最初は私の味方だったはずの子どもたちは、いつのまにかすっかり多希に懐柔されてしまっていた。

カナちゃんのお隣さんだったせいか、はたまた見かけに反した屈託のない性格が子どもたちの心をつかんだのか…

今ではみんな私より多希に会うのが楽しみで勉強会に参加しているみたいだ…くすん。


なんていじけながら会館に入ろうとした時だった。
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