見つめないで勉強しなさい! ~一途なチャラ男くんに愛されました~
確かに、手を握ったまま登ると、少しバランスがとりにくい石段。
自分によしかからせるように私の手を引き寄せて、多希が歩調を合わせて登ってくれる。
多希の硬い腕を肌に感じながら、二十段ばかりの石段を登って鳥居をくぐると境内に入った。
人が一人もいない。
それもそのはず。
この森の中じゃ、花火はぜんぜん見えなかった。
「こっちだよ」
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