見つめないで勉強しなさい! ~一途なチャラ男くんに愛されました~
重さんは豪快で人のいい性格をしていて、商店街のリーダー的存在だった。
両親がいない私と兄のことも自分の子どものようによく接してくれていて、私も本当のお父さんのように慕っていた。
重さんは多希の髪を思う存分めちゃくちゃにした後スイカを渡すと、くるりと振り返って私に破顔した。
「ま、こんなヤツだが、よろしくしてやってな、花珠ちゃん」
「え?あ、はぁ」
「店継がねぇのはとんだ親不孝もんだが、まぁ今の時代だからしょうがねぇと言えばしょうがねぇわな。本気で猛勉強してるのはどうやら確かみてぇだから、勉強だけでもみてやってくれな」
重さんに言われれば、嫌とは言えないけど…。