見つめないで勉強しなさい! ~一途なチャラ男くんに愛されました~
黙々としゃきしゃき食べる私を、多希は頬杖をつきながら見ていた。
私はその視線をくすぐったく感じながら、種を上品に口から出して小皿に落とす。
「先生はさ、どうしてそんなにがんばってるの」
「え…」
「大学とバイトで忙しいのにこの勉強会引き受けて。たいした金になるわけでもないんだろ?」
私は口の中に残る果汁を飲み込んだ。
「恩返し、だよ」