見つめないで勉強しなさい! ~一途なチャラ男くんに愛されました~


「恩返し?」


「そ。親孝行とでも、言うのかな…」



夕日を照り返して白く光る畳に視線をやりながら、私はとつとつと話しだした。








私の家はこの商店街の真ん中にある喫茶店。


両親は十年前に、二人とも事故で死んだ。


代わりに、残された店を切り盛りしながら私を育ててくれたのが、五歳離れている兄貴だった。
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