人面魚は人魚に恋をしました
聞けば、タコの魔法使いは、上物のタコ壺と交換で願いを叶えてくれるとのこと。


人面魚は最高級のタコ壺を探し出し、背中に背負ってタコのもとへと出発しました。



珊瑚の森は深く、遠い道のりでしたが、人面魚はそれでも進みました。


人魚が好きだったのです。

同時に、人魚の好きな男の存在が許せなかったのです。

そいつさえいなくなれば、元のように仲良く出来るはずだ、そう思ったのです。


――ここだ。


人面魚はようやく、タコの魔法使いの住みかにたどり着きました。


「お前に頼みたい願いがある。姿を見せてくれ」
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