初恋パレット。~キミとわたしの恋の色~
 
「ん? その様子だと、モモちゃんはあんまり納得してないっぽいかな? いつもの私なら、かまわずユニを振り回してるのに、って感じ?」

「……いえ、そういうわけじゃ」


くるりとわたしのほうに顔を向けた先輩に唐突に図星を指され、ちょっと焦る。

確かに鉄拳を、とは思ったけれど、ただ、自分の興味のないことでも応援したくなるという先輩の気持ちが、わたしにはまだよくわからなくて。

百井くんと関わりたい理由が遥先輩の言うそれなのかといえば、そういうわけでもないような気もするし、でもモデルを引き受けたのは、百井くんの片想いを応援しているようなものだし……。


「じゃあ、どういう感じ?」

「ど、どうって言われましても……」

「なんでもいいよ。言って気持ちが軽くなることだって全然あるし、言葉にしてみて初めて気づくことも、もしかしたらあるかもしれないし」

「うーん。……正直、自分がどうしたいのか、わからないんです。部活のことも、ほかのことも、まして恋愛感情なんて、今はほんとに全然で……」


返答に困り果ててしまい、苦しい言い方になる。
 
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