初恋パレット。~キミとわたしの恋の色~
 
でも、先輩に言ったことが、今のわたしの全部のような気がする。

中途半端とも違って、まだ自分の気持ちをわたし自身がつかみきれていないというか、ためらっている部分もあるような気がするというか……。

うまく言葉にできないけれど、ずっともやもやだけはしていて、特に実結先輩が訪ねてきてからは、なんだかもう本当に自分でもわけがわからなくなるくらい、胸の中がもやもやでいっぱいだ。

無理なことは、最初からしたくない。

そう思っているはずなのに、ずっとおかしい。


「うーん、そっかぁ。でも私には、もうモモちゃんの中で答えが出てるように見えるけどなぁ」

「……っ」


けれど先輩は、わたしが張った精一杯の予防線を、いとも簡単に飛び越えてくる。

顔をのぞき込んでわたしの表情を確認すると、どういう意味なのか、しみじみした様子で「うんうん!」と一人納得したように大きくうなずく始末だ。

わたしはただ、それらの動きに合わせてぱさぱさと軽快に揺れる先輩のポニーテールを、さっぱり意味がわからない、といった心境で目で追うだけ。

ほんと、美遥先輩ってときどき妙に鋭いからいやだ……。
 
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