ただの幼なじみじゃいられない!
「…ぎゃーーーーーっ!!!」
思い切り叫んで、あたしのできる限りの力を振り絞って。
なんとか爽太を思いっきり突き飛ばして、バタバタと走って爽太の家を出て行った。
その勢いのまま、自分の家に駆け込んだ。
階段を勢いよく上がって、自分の部屋に入ったあと乱れた呼吸を整えた。
び、びっくりしすぎて…心臓が…バクバクいってるよ。
おまけに息切れもしている。
でもあんな風にされたのに、不思議と…嫌じゃ、なかった…。
あの爽太の言動と行動には、どういう意味があったの…?
あの悲しそうな、辛そうな表情は…?
脳裏に爽太の表情がよぎる。
胸の位置にギュッと拳を握った。
「…ぎゃーって、それでも女かよ、あいつは…。」
…もちろん、爽太にそんなツッコミを入れられていたことは知りません。