ただの幼なじみじゃいられない!



帰れるのは嬉しいはずなのに、なぜか足どりは重かった。


もしかしたら咲が許してくれないかもしれないとか、そんなことばっか考えて。


____そのときだった。



「うわ!?」



昇降口の曲がり角で走ってきた誰かと、ドン!と結構勢いよくぶつかってしまった。


その衝撃で俺はよろめいて、ぶつかってきたそいつは後ろに倒れた。


そいつが倒れると、またドンって、すごい音がした。


…痛そうな尻もち。


危ねぇな…。


俺はノーダメージだけども、倒れたそいつはかなり痛そうだ。


ぶつかってきたのは女の子で、俺は尻もちをついたその子に手を貸そうとする。



「おい、だいじょ…」



____って、え…。



「ごっ、ごめんなさ…って、爽太…!」



さ、咲…。


俺にぶつかってきたのは、咲だったんだ。


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