ただの幼なじみじゃいられない!
なんと今、俺が会いたいランキング1位の咲…。
こんな偶然もあるのか…。
ぶつかった衝撃と、ぶつかった相手が俺でびっくりした咲は、口をあんぐりさせて立ち上がれる様子じゃなかった。
俺はそんな咲の両脇を持って、その細くて軽い体を抱き起こした。
咲は「わぁっ」と驚いた声をあげたけど、特に抵抗することもなく、大人しかった。
「あっ…の、ごめんなさい爽太…あ、ありがとう…。」
「いや………。」
明らかに動揺して視線をあちこちと動かす咲。
咲を動揺させているのも、この前の俺の軽率な行動のせいだ。
「_____咲、この前は悪かった。」
走ったら危ないだろ、こんなふうにぶつかったら怪我するかもしれないんだぞって、そう言うつもりだったのに。
それよりも、こっちを言うのが先だ。
不思議と自然に、そして唐突に…謝罪の言葉が口から出た。