ただの幼なじみじゃいられない!
「あのときはびっくりして…少し怖かった。けど…あたしは大丈夫!」
「でも…何日も俺の顔見れないほど、つらかったんだろ?…悪かった。」
咲は眉を下げて優しくて可愛らしい声色でそんなふうに言ってくれたけど。
やっぱり、怖かったよな…。
ガチな謝罪だ。
すっげえ、反省してる…。
「…違うの…。」
ぽつりと、小さな声で咲が言った。
…違うって…?
「たしかにあたし、ちょっと怖かったけど…。」
咲はそこで一度言葉を区切り、大きめに息を吸った。
「それよりも、胸のドキドキが止まらなかったの。自分から爽太の所へ行ったら、ドキドキが止まらない気がして、会いに行けなかったの…。」