ただの幼なじみじゃいられない!
「え、う、うん…。」
冷静な俺に拍子抜けしたのか、すっとぼけた返事をした咲。
でもそれ以上はなにも言わないで、咲はパタパタと風呂場へ向かっていった。
「はあ…。」
ため息をつきながら、咲が座っていたソファに腰掛けた。
咲の匂いの残り香を感じる。
落ち着くいい匂いだ。
ほんと、咲がいるといろいろな意味で落ちつかねぇよ…。
だけど、好き…なんだよな。
くそ、やっぱ女々しすぎか。
俺は。
ドライヤーが甘かったか…まだ生乾きの髪の毛をぐしゃぐしゃと掻きむしった。