ただの幼なじみじゃいられない!



爽太は…。


ヒロにフラれたあたしを一生懸命慰めてくれて。


小さい頃に戻ったみたいに、毎日一緒にいてくれて。


いつもいつも、あたしに優しくしてくれて______…。




「あたし爽太が、好きなんだ…。」



そう口にした瞬間、ぽろっと両目から涙がこぼれた。


目の前に、佳奈がいるのに。


佳奈は少し驚いた表情を見せたけど、すぐにふっと笑みを浮かべた。



「もおー!遅いよ、咲っ!泣くな〜!」



よしよしって、背中をさすってくれる佳奈。


佳奈のその手から、表情から、優しさが伝わって。


あたしは、もっともっと涙が溢れた。


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