ただの幼なじみじゃいられない!



「はあっ、はあっ…」



いつの日かぶりに全力で走り、息を切らしたあたしは。


またさっきみたいに脱力し、中庭のベンチに座り込んだ。


一時は引っ込んだ涙も、滝のようにまた溢れ出る。


両手で顔を覆って、嗚咽を漏らした。



「うぅ______っ…あぁ…っ」



どうしてあたし、恋愛は上手くいかないのかな。


ヒロのときも、そう…。


あたしには、もしかしたら恋愛は向いてないのかもしれない。


特に今回の恋は…自分で想いを伝える前に、終わっちゃった…。


あっけない終わり方だったなぁ…。


もうすぐ昼休みが終わることも忘れて、あたしはただ泣いた…。


< 233 / 267 >

この作品をシェア

pagetop