ただの幼なじみじゃいられない!
「………?」
帰ってきた咲の表情はとても暗くて…目も頬も真っ赤っか…今も涙目だった。
爽太のところに、行ったんじゃなかったの?
「咲?どうしたの?」
あたしがそうたずねると、咲は我慢しきれなくなったように思い切り涙を流し始めた。
「うぅ〜…っ…佳奈ぁ〜っ…!」
あたしの名前を叫んで、椅子に座るあたしに飛びついてきた咲。
「大丈夫?…ここじゃ人が多いから、屋上行くよ。」
クラスの子たちが何事だろうと咲に注目していたけれど。
あたしは咲を支えながら立ち上がって、あたしたちは屋上へ向かった。
屋上は、出入禁止じゃないわりに人気は少ないから、咲も話しやすいはず。