ただの幼なじみじゃいられない!
「咲はきっと…今頃あんたのぬくもりを一番欲しがってるよ。」
「…______。」
「これ以上はもう、あたしからは何も言わない。」
「佳奈…。」
あたしがそういうと爽太は、ハッとしたようにあたしを見た。
ごめんね、咲…。
本当は咲に自分の想いを全部伝えて欲しかった、それが本当は正しい。
「ほら!!さっさと行きなよ咲のところに!!ちゃんと謝らなきゃ本当に許さないんだからね、絶交だかんね!!!」
なんか、あたしが一方的にしゃべっただけだけど…まあ、いっか。
「…佳奈!ありがとな!!」
目に力が戻った爽太はそれだけ叫んで、全力疾走してあたしの元から去って行った。
あたしは爽太の姿が見えなくなるまで、腰に手を当て鼻をスンと鳴らして見送った。
「______はあ。本当に世話がかかるんだから。」
……咲、爽太、幸せになってね。