ただの幼なじみじゃいられない!
10th Story*好き
*咲side*
「咲…。」
「爽太…わぁっ!?」
突然、爽太にぎゅっと抱きしめられた。
…少し、痛いくらいに。
ど…どうして?
どうして爽太が、あたしのところに来ているの?
どうして爽太が、あたしを抱きしめてるの?
“好きじゃねえ”
って、そう言っていたじゃない。
忘れたいのにいやでも耳に残っている、あのひとこと。
そして今、この状況を理解したくても…できなかった。