ただの幼なじみじゃいられない!
爽太と一緒に帰るのは、中学生のとき以来だ。
「あ、あの。爽太、あたし、今日はまっすぐ帰るよ?」
念のため、爽太にそう言う。
爽太は小学生の時、よく通学路の公園にいた虫を持ってきてあたしを怖がらせていた。
中学生の時も、部活で帰りが遅くなって日が暮れた時にいきなり怖い話始めたりして、本当に怖かったんだから。
爽太は当時、面白がっていたけど。
今でもあのときの恨みは忘れてないんだから!
今だって…遊び人の爽太のことだし、どこか危ない場所に連れて行かれるかもしれない。
もしそんなことされたら…あたしもう、爽太のことぶん殴っちゃうから!!
「あー、俺もまっすぐ帰る。」