ただの幼なじみじゃいられない!



まだ重たいまぶたをこすりながら、とりあえず部屋を出て階段を降りた。


玄関の方へ向かうと、お母さんと、爽太がなにやら楽しそうに話していた。


…なに、この光景。



「お母さん、爽太…おはよう…。」


「おはよう咲。朝ご飯できてるわよ!爽太くんもう来てくれてるんだから、早く準備しなさい!」


「よ。」



おはようとは言わず、ひとことだけあたしに向かって言葉を発した爽太。


なんだか勝ち誇ったような顔してる気がするんだけど…気のせいかな?



「…爽太、本当にきたの。」



ぼそっとつぶやいた。



「あぁ、お前が寝坊するんじゃないかと思ってな。」



やっぱり爽太は、勝ち誇った顔をしている。


腕を組んで、あたしを見下ろしているその表情…。


< 46 / 267 >

この作品をシェア

pagetop