ただの幼なじみじゃいられない!
まだ重たいまぶたをこすりながら、とりあえず部屋を出て階段を降りた。
玄関の方へ向かうと、お母さんと、爽太がなにやら楽しそうに話していた。
…なに、この光景。
「お母さん、爽太…おはよう…。」
「おはよう咲。朝ご飯できてるわよ!爽太くんもう来てくれてるんだから、早く準備しなさい!」
「よ。」
おはようとは言わず、ひとことだけあたしに向かって言葉を発した爽太。
なんだか勝ち誇ったような顔してる気がするんだけど…気のせいかな?
「…爽太、本当にきたの。」
ぼそっとつぶやいた。
「あぁ、お前が寝坊するんじゃないかと思ってな。」
やっぱり爽太は、勝ち誇った顔をしている。
腕を組んで、あたしを見下ろしているその表情…。