ただの幼なじみじゃいられない!
アイロンでのセットを終わらせ、手ぐしで軽く髪を整えた。
制服をピシッと着こなして、家を出る前に全身ミラーの前で背筋を伸ばして身だしなみチェック。
うん、大丈夫。
今日も、1日がんばろ!
部屋を出て玄関に向かうと、
「咲、遅い。」
すでに靴に履き替えた少し不機嫌顔の爽太が立っていた。
…あ、髪の毛をセットしているうちに爽太のこと、すっかり忘れてた。
でも、いつも家を出るのはこのくらいの時間だもん。
遅いわけじゃないもん。
「はいはい、ごめんね。怒んないで?お母さんいってきまーす!」
むーっとしている爽太を軽く流して、ローファーを履いて家を出た。