ただの幼なじみじゃいられない!
毎日毎日一緒に遊んでいた、小学生のころに戻ったみたいだ。
今日も通学の約20分間、爽太と他愛ない会話を交わす。
そして、学校に着くといつもどおりあたしたちのクラスの境目でバイバイ。
最近は、学校のみんなに注目されることも少なくなった。
多分、学年1の情報網の佳奈が、みんなの誤解を解いてくれたんだろうなあ。
佳奈に感謝だ。
「じゃあ爽太、ばいばい。」
いつもどおり教室の前で爽太に手を振り、自分の教室へ入ろうとすると。
「あ、咲。」
いつもは爽太も手を振って隣の教室へ入っていくのに。
今日はなぜか、呼び止められた。