ただの幼なじみじゃいられない!



教室へ入ってすぐ、佳奈の元へ駆け寄り声をかける。



「佳奈!おはようっ!」


「おっはよ〜咲。今日も旦那と登校?」



片手は頬杖をついてもう片手はあたしの方にひらひら手を振って、そんなことをいう佳奈。


旦那って、なに、誰のことだろう。


あたしは怪訝な顔をして首を傾げ佳奈に尋ねた。



「旦那って?」


「爽太よ!爽太!」


「ああ、うん!けど、爽太は旦那さんじゃないよ!」



なんだぁ、爽太のことかぁ。


あはは、と笑いながらあたしも自分の席に座る。


どんな冗談なんだろう、佳奈ってば。



「もー、最近は爽太とどうなのよ??」



佳奈が後ろを振り向きあたしの机に頬杖をついたまま、興味深々に聞いてくる。



「へ?どうって?」


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