ただの幼なじみじゃいられない!
「ま、頑張って!あたしが咲のこといっちばんよく知ってる自信あるから!なんかあったらいいなさいよ!」
「…おう。サンキュ!」
そう叫んだ佳奈は、自信満々に俺に微笑みかけると小走りで自分の教室へと戻っていった。
…佳奈じゃなくて、俺が咲のことを一番よく知っている存在になりたい。
咲が早く、ヒロのことを忘れられるように。
咲がもう悲しまないように。
きっと、そうしてやるんだ。
__キーンコーンカーンコーン…
「…あー、化学だ。」
本鈴が鳴って、俺も教室の中に戻って、嫌な授業から逃げるようにまた机に突っ伏した。