ただの幼なじみじゃいられない!
4th Story*溢れる想い
*咲side*
「んー…今日も雨なの〜…?」
初夏。
そして、梅雨入りの時期。
窓を叩きつける雨で、外は見えない。
セミロングの髪の毛はうねって直してもすぐ元どおりにうねうねに跳ねちゃうし。
教室も外も湿気でむわーんとしていて、居心地が悪い。
「そうみたいね〜。」
それに対して、ショートボブの佳奈はいつもどおり、クセのない綺麗な髪にまとまっていて。
自分の髪質を恨んだ…。
「家を出る時は雨降ってなかったから…。今日は降らないと思って、傘持ってこなかったぁ〜。」
「あはは、咲ったら馬鹿ね〜!」
うう…佳奈の言う通り、ほんと馬鹿かも…あたし。
梅雨なんだから、いつでも雨が降るかもしれないのに。
これからは毎日、スクバに折り畳み傘を用意しておこう…。