私の思い~きっかけとタイミング~
美紗side
ナンパだと思った事は黙っておこう。

「そうですか。ちょっとがっかりだな。俺はあの総合病院のCT受付の横で居眠りをしていたあなたが、朝すれ違っているシルバーの軽自動車の人だとすぐに気が付いたんですけどね。」

本当に残念そうに森崎先生は言った。

「あの時はすいませんでした。私疲れていたのか、待っている間に眠ってしまったみたいで…。」

私はあの時の恥ずかしさを思い出す。

それにふっと笑ったような電話の向こうの森崎先生。

「こちらこそあの狭くなっている所で無理に突っ込んでしまって、いつも申し訳なく思っていたんです。だからつい相手の車を運転している人が気になってしまって。」

ああ、そういう事か。

「いえいえ、気にしないで下さい。」

それだけの事で先生は電話して来てくれたんだろうか。

まあ、確かにあの車の突っ込み方は、私が先生に文句は言っても許されるだろう。

「それにしても、私の方から電話しようと思っていたんですけど。」

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